キーワード・キーフレーズ・フレームワーク
これまでに提言したフレームワークやキーワード、キーフレーズをご紹介します。
- 定着モデル
2010年度に座長として取りまとめた特許庁の「知的財産経営プランニングブック」に採用されたフレームワークです。
知財活動が企業経営に必須の活動として定着するために必要な4要素とその関係を整理したもので、自社(あるいは事業部門毎)の状況をこれに当てはめることによって、知財活動が定着しない原因を特定することできるというモデルです。
横浜知財みらい企業支援事業の企業評価にも、このモデルが採用されています。
<ブログの参考記事> 定着モデルーその1
定着モデルーその2 - 経営課題に成果をあげる知財活動
2008年度に座長として取りまとめた特許庁の「ここがポイント!知財戦略コンサルティング」に掲載された、知財活動のあるべき姿を端的に表した図です。
知財活動も企業活動の一部であるのだから、企業の経営課題を起点に考えなければならない。知財の課題を解決するための知財活動であってはならない。当然のことですが、大原則をわかりやすく図示したものとして多くの知財関係者の皆様に共感いただきました。
<ブログの参考記事> 知財戦略コンサルティングの骨格 - 上から知財
「定着モデル」を実現するプロセスを時系列で整理したもので、各地で開催している知財塾はこの流れに沿って設計しています。
<ブログの参考記事> 上から知財 - たかが特許、されど特許
事業の成否を決める要因は他にもたくさんあるという意味では「たかが特許」、一方で事業環境を少しでも有利にするために特許も使える道具の一つであるという意味で「されど特許」。特許に過大な期待を寄せることなく、過小評価することもない、特許制度を効果的に活用するためには、この感覚が重要であると思います。
<ブログの参考記事> たかが特許、されど特許。
経営者の視座 - 知的財産は「紛争の種」ではなく「成長の種」
知的財産基本法に定義されているとおり、「知的財産」は特許権や商標権といった権利に限定されるものではなく、企業の競争力の源泉・差異化要因となる独自の技術やデザイン、ブランドを指す概念です。
ところが、「知的財産=特許」のように理解され、「知財活用」というと権利侵害云々の厄介な揉めごとであり、知的財産は「紛争の種」と理解されていることが少なくありません。しかし、「知的財産=独自の技術やブランド」と捉えると、「知財活用」の意味も全く違ったものとなります。「知財活用」とは、他者との差異化要因を事業にどのように活かすかという企業の成長シナリオの骨格であり、知的財産は「成長の種」なのです。
<ブログの参考記事> 知的財産を「紛争の種」ではなく「成長の種」として意識しよう - 攻めの知財戦略・守りの知財戦略
自らの権利の積極的な行使を目的とする知財戦略を「攻めの知財戦略」、他者の権利侵害の予防を重視する知財戦略を「守りの知財戦略」と説明されることがありますが、こうした考え方の根底にある「攻め」「守り」は、「知的財産権」の排他性を積極的・消極的のいずれで捉えるといった違いでしかなく、事業を「知的財産権」の切り口だけで見ようとしてしまっているところに限界があります。「攻めの知財戦略」といっても、「知的財産権」の法的な力で「攻める」ことだけを考えていると、「攻める」相手は競合企業や一時的な収入源に過ぎない知的財産権の売却先となってしまい、企業の収益を支えてくれる肝心の顧客の方を向いた「攻め」にはなりません。
では顧客を向いた「攻めの知財戦略」とはどのようなものか? 以下のブログのエントリをご参照ください。
<ブログの参考記事> 攻めの知財戦略・守りの知財戦略 - 「知的財産を活かした経営戦略」と「経営に資する知財戦略」
「知的財産を活かした経営戦略」と「経営に資する知財戦略」。同じように聞こえますが、実はレイヤーが違うという話です。詳しくはブログのエントリを。
<ブログの参考記事> 「知的財産を活かした経営戦略」と「経営に資する知財戦略」の違い